大腸肛門病センター

coloproctology

大腸肛門病センターでは、『おなか』と『おしり』の病気に関する診断と治療を専門に行っています。

『おなかの病気』に関しては、近年急増している大腸がんや、若い人にも発症する可能性のある炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)の検査と治療を提供しています。また、便秘や下痢などの一般的な消化器症状に対する診療も行っています。腹痛、腹満感、便秘、下痢などの症状は多様な病気に起因することがあり、正確な原因の特定と適切な治療が重要です。大腸内視鏡検査は診断に非常に有効ですが、多くの患者様が苦痛や不快感を懸念されます。その結果、症状が深刻化するまで受診を遅らせるケースも少なくありません。当センターでは、患者様が苦痛を感じずに検査を受けていただけるよう無痛大腸内視鏡検査を実施し、病気の早期発見を目指しています。また、内視鏡手術や腹腔鏡手術など、身体への負担が少ない治療法を通じて、患者様に優しい医療を提供しています。

『おしりの病気』の分野では、肛門の痛み、出血、脱出、かゆみ、残便感、便漏れ、肛門の違和感などの症状に対応しています。痔核(いぼ痔)、痔瘻、裂肛(切れ痔)などの一般的な疾患だけでなく、肛門周囲膿瘍、肛門掻痒症(かゆみ)、直腸脱など、肛門周辺のあらゆる病気の治療を行っています。肛門の問題は意外と多くの人が抱えていますが、生命に直接関わることが少ないため、多くの医療機関では適切な診療が難しい現状があります。そのため、手術で改善可能な症状であっても、同じ薬の処方が続けられることが多く見られます。当センターでは、経験豊富な専門医が丁寧に診察し、患者様一人一人に適した治療方法を選択しています。保存的治療から様々な手術に至るまで、幅広い治療オプションを提供しています。

特に女性の患者様の中には、便秘や妊娠、出産を契機に肛門の症状に悩む方が多くいらっしゃいます。しかし、恥ずかしさやためらいから受診が遅れ、症状が悪化するケースも少なくありません。当センターでは、女性医師による診察も行っており、男性医師に診察されることに抵抗を感じる方でも安心して受診いただけます。

当院の大腸肛門病センターは、『おなか』と『おしり』の症状や悩みを抱える方々に対し、経験豊富な専門医が対応しています。一人一人の患者様が快適な生活を送れるよう、全力を尽くしています。腹痛や下血、便秘・下痢など、おなかやおしりの症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

大腸肛門病センターの特徴

大腸肛門病センターの特徴

01

年間の肛門疾患の手術300件以上(2022年度実績)

02

日本大腸肛門病学会 大腸肛門病認定施設

03

日本大腸肛門病学会 専門医・指導医、日本臨床肛門病学会技能指導医 が在籍

04

女性医師による診療が可能です。

大腸肛門病センターが専門とする主な疾患

当院の大腸肛門病センターでは、主に以下のおなかとおしりの病気を専門としております。
経験豊富な専門医が診察・治療を行っております。ここに記載されていない疾患でお悩みの方も、一度当院までご相談ください。

主なおなかの病気

大腸がん

大腸がんは日本人の主要な死因の一つで、初期には症状が少ないですが、進行すると血便や腹痛が現れます。原因は遺伝と環境が絡み、欧米化した食生活、肥満、喫煙、飲酒がリスクを高めます。予防には定期的な大腸検査が重要で、健康的な食生活、適度な運動、禁煙、節酒が効果的です。治療は進行度に応じて手術、薬物療法、放射線療法があり、早期発見・治療が重要です。

大腸ポリープ

大腸ポリープは、大腸内側に生じる突起物で、多くは良性ですが、放置すると大腸がんに進行することもあります。症状は少ないですが、大きくなると便潜血検査の陽性反応、下痢、便秘、腹痛が出ることがあります。原因には加齢、食生活、遺伝などがあり、予防には定期的な大腸検査が重要です。治療法は内視鏡的切除が一般的で、早期発見・治療が効果的です。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜にびらんや潰瘍を引き起こす疾患で、原因は自己免疫異常などが関与していると考えられます。症状には腹痛、下痢、血便があり、重症度により異なります。治療は症状の緩和と寛解状態の維持を目指し、5-アミノサリチル酸製剤、ステロイド、生物学的製剤などの薬物療法、食事療法、必要に応じて手術療法が用いられます。

クローン病

クローン病は消化管に慢性的な炎症を引き起こす疾患で、口から肛門までのどの部分にも発症する可能性があります。原因は不明ですが、遺伝的要因や免疫系の異常が関与していると考えられています。症状には腹痛、下痢、体重減少、疲労感があり、重症化すると腸閉塞や瘻孔(ろうこう)の形成が起こることもあります。診断は主に内視鏡検査や画像診断で行われ、治療には抗炎症薬、免疫抑制剤、生物学的製剤などが使用されます。

大腸憩室症

大腸憩室症は、大腸壁に小袋状の憩室が形成される病状で、高齢者や食物繊維不足が関連しています。多くは無症状ですが、憩室炎となると腹痛や発熱が起こり、重症化すると腸閉塞や穿孔、出血のリスクがあります。診断はCTや大腸内視鏡で行われ、治療は症状に応じ抗生物質や食事療法、場合によっては手術が必要です。予防には食物繊維を含む食事と運動が有効です。定期的な大腸検査で早期発見・治療が重要です。

各病気に関する詳しい情報はこちら

主なおしりの病気

痔核(いぼ痔)

痔核は、肛門周辺の静脈がうっ血し腫れる一般的な病気です。症状には排便時の出血、痛み、かゆみ、脱肛があります。主な原因は便秘、下痢、妊娠、出産、加齢です。予防には、便秘や下痢の解消、排便習慣の整理、食物繊維の多い食事と適度な運動が効果的です。治療は症状に応じて薬物療法や坐薬、重症時には手術が必要になります。早期発見・治療が大切で、症状があれば医療機関の受診が重要です。

痔ろう(あな痔)

痔瘻は肛門内の腺からの感染により、肛門や周辺に異常な通路が形成される疾患です。主な症状には肛門周囲の痛み、腫れ、膿の排出があり、トンネル状の構造を持ち膿や出血を伴うことが多いです。診断は肛門診察や画像診断で行われ、治療は手術が必要となることが多く、切開開放術が基本になります。自然治癒は稀で、早期の医療機関受診と適切な治療が重要です。

裂肛(きれ痔)

裂肛は肛門の出口近くの皮膚や粘膜が切れる病気で、排便時の痛みや下血などが主な症状です。便秘や下痢が原因で起こり、肛門鏡を用いて診断されます。治療には薬物療法や手術がありますが、多くは食生活改善や水分摂取で自然治癒します。適切な排便習慣と食物繊維摂取が予防に役立ちます。

直腸脱

直腸脱とは、直腸が肛門から脱出してしまう病気です。初期段階では排便時に一時的に脱出するだけですが、重症化すると脱出したままとなり、出血や痛みを伴うようになります。治療には手術治療によって直腸を縫い止めたり、メッシュを用いて固定したり、飛び出した直腸を切除したりして直腸が飛び出ないようにし、便の漏れや排便障害などの改善を目指します。

各病気に関する詳しい情報はこちら

大腸肛門病センターでの診察の流れ

01

問診

診察前に、問診票を記載していただきます。必要に応じて、看護師よりお話を伺わせていただきます。

02

診察

診察室は、全て個室となっております。診察の際には、横向きになっていただきます。視診、触診、肛門鏡による肛門診を行います。当院では、デジタル肛門鏡を用いているため、患者様がご自分でおしりの状態を画面で見ていただくことが可能です。

03

説明

診断と治療について説明があります。また、必要に応じて、検査等の予約を行っていただきます。ご不明な点がございましたら、ご遠慮なくお聞きください。

主な検査方法

主な検査方法

内視鏡検査

腹痛や出血のある方では、必須の検査です。
当院では、苦痛の無い胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査を行っております。

デジタル肛門鏡

一般的な肛門鏡では、診察を行う医師しか状態を見ることは出来ませんが、デジタル肛門鏡では非常に高画質な映像を、患者様ご自身で見る ことが可能です。

デフェコグラフィ(排便造影)

排便機能障害や直腸脱、直腸瘤といった排便に関係する肛門疾患の際に対して行います。排便時の直腸と肛門の動きの他、形態の変化をみる専門的な検査です。

主な治療方法

主な治療方法

おなかの病気の主な治療方法

  • 手術
  • 腹腔鏡手術
  • 内視鏡手術
  • 薬物療法
  • 化学療法
  • 放射線治療

おしりの病気の主な治療方法

  • 薬物療法
  • 注射療法:PAO注、ALTA注(ジオン注)
  • 結紮切除術
  • ゴム輪結紮療法
  • 切開開放術
  • 括約筋温存手術
  • シートン法
  • 裂肛根治術
  • 内括約筋側方皮下切開術
  • 用手肛門拡張手術
  • 皮膚弁移動術
  • デロルメ手術
  • ガント三輪手術
  • ティールッシュ手術
  • 腹腔鏡下直腸脱手術

肛門疾患の手術実績

痔核 痔瘻 裂肛 直腸脱
2022 241 94 11 9
2021 218 93 9 8
2020 142 62 12 9
2019 153 51 4 7
2018 148 46 3 5
2017 116 37 4 6
肛門疾患の手術実績

料金表

症状や麻酔方法などによって費用は異なります。
以下は健康保険を適用(3割負担の場合)による目安の金額です。

すべて税込みです。

1割負担 3割負担
大腸内視鏡検査 約2,000円 約6,000円
大腸内視鏡検査(病理組織検査含む) 約6,000円 約20,000円
大腸ポリープ切除術(日帰り) 約8,000円 約25,000円
大腸ポリープ切除術(1~2泊入院) 約20,000円 約55,000円
入院肛門手術(痔核・痔瘻・裂肛根本手術) 約30,000円 約100,000円
ジオン注射 約12,000円 約35,000円
そけいヘルニア(脱腸) 約60,000円 約160,000円

こんな症状・お悩みありませんか?

  • 排便時に出血がある
  • 慢性的におしりが痛い
  • おしりにでっぱりがある
  • おしりが腫れていて膿が出る
  • おしりから何かが出ている感覚がある
  • ずっと腹痛が続いている
  • おなかがはる
  • 下痢や便秘が多い
  • 便が細くなった
  • 便が出にくくなった
  • 残便感が続いている

これらの症状に当てはまる方は、大腸やおしりの病気かもしれません。放置しておくと重症化したり、また別の病気で発見が遅れたりすることもあります。「おかしいな」と感じたら、専門医のいる当院までご相談ください。

よくあるご質問

大腸内視鏡検査は受診当日に受けることができますか?

残念ながら、大腸内視鏡検査を受けるためには、事前の検査予約が必要です。まずは、外来受診をしていただくようお願いします。

他の病院で手術が必要と言われました。初診当日に入院できますか?

初診時に担当医師が診察を行い、手術が必要かどうかを判断します。手術は予約が必要で、入院は通常後日になりますが、緊急手術が必要な場合は当日入院になることもあります。

電話で検査や入院の予約は可能ですか?

検査や入院の予約はできませんが、既に予定されている検査や手術、または入院のスケジュールの変更やキャンセル、外来の予約については電話で可能です。お気軽にお問い合わせください。

他の病院からの紹介状は必要ですか?

紹介状が無くても、受診可能です。