パーキンソン病

disease

パーキンソン病とは

パーキンソン病(Parkinson’s disease)は、中枢神経系に影響を及ぼす慢性的な神経変性疾患であり、主に運動障害を特徴とする疾患です。この病気は通常、進行性の特徴を持ち、患者の生活に大きな影響を及ぼすことがあります。パーキンソン病は、19世紀にイギリスの医師ジェームズ・パーキンソンによって初めて詳細に記述され、その名前を冠しています。

パーキンソン病の原因

パーキンソン病の主要な原因は、脳内のドーパミン産生を担当する神経細胞の変性です。具体的な原因は不明ですが、遺伝的要因、環境要因、神経毒性物質の影響などが関与していると考えられています。脳内のドーパミンが不足することによって、神経伝達物質のバランスが崩れ、運動制御が障害されます。

パーキンソン病の症状

パーキンソン病の主要な症状は以下の通りです:

  • 震え(Tremor):手や指、足などの部位で静止しているときに発生する振動や震えが特徴です。これは一般的に休止時振戦と呼ばれます。
  • 筋肉の硬直(Rigidity):筋肉が硬くなり、関節がしっかりと動かしにくくなることがあります。これは特に首や四肢に現れます。
  • 運動の減少(Bradykinesia):運動のスピードが遅くなり、動作が鈍くなることがあります。日常の活動や歩行が困難になります。
  • 姿勢の不安定(Postural Instability):バランスが損なわれ、立つことや歩行中に倒れやすくなります。転倒のリスクが高まります。
  • 表情の変化(Masked Face):表情が乏しく、顔が表情を出しにくくなることがあります。
  • 言語障害(Speech Difficulties):話す際に声が小さくなり、はっきりと言葉を発するのが難しくなることがあります。
  • 自律神経症状(Autonomic Symptoms):便秘、尿失禁、過度の多汗症、血圧の変動などの自律神経症状が現れることがあります。

パーキンソン病の治療

パーキンソン病の治療は、症状の緩和と生活の質の向上を目指します。主な治療法には以下が含まれます:

  • 薬物療法:レボドパとカルビドパの組み合わせなど、ドーパミンの代替物質を用いて症状を管理するための薬物があります。
  • 理学療法:運動療法やリハビリテーションプログラムを通じて、筋力やバランスを改善し、日常生活の動作を維持します。
  • 手術治療:進行が著しい場合、深部脳刺激療法(DBS)と呼ばれる手術的な治療が検討されることがあります。
  • 支持療法:栄養療法、言語療法、心理社会的支援などが患者の生活質を向上させるのに役立ちます。

パーキンソン病は患者とその家族にとって挑戦的な疾患であるため、症状の管理と向き合うことが長期間にわたって重要です。患者は医師との連携を持ち、適切な治療とケアを受けることで、症状の進行を遅らせ、日常生活を充実させることができます。

当施設と他施設のリハビリを比較

一般的に行われているリハビリテーションは、パーキンソン病特有の進行を遅らせること・症状の軽減を図ることが目的です。当院のリハビリテーションは、特有の症状の進行を遅らせながら、筋力や持久力の向上を目指していきます。病気になり諦めかけていた趣味活動の再開や生活動作のスムーズさの獲得を目標としてリハビリテーションを行っていきます。

通常のリハビリテーションに加え、ロボットスーツHAL®を使用した歩行練習により、小刻み様歩行やすくみ足の改善を行っていきます。さらに川平法によるリハビリでは、筋固縮により硬く動かしにくくなった腕や足の動かし方の改善を目指します。